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衝突被害軽減ブレーキは万能ではない

衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)の

事故統計が初公開されました。

衝突被害軽減ブレーキが完全ではない、ということが

数値を持って明らかにされました。

今回の数値公開の目的は、

「完璧な自動ブレーキではないので

あくまでも補助的に考えるよう」

促すことです。

動画が公開されています。

(この動画作成のために車両を提供した

メーカーの姿勢には賛同します)

衝突被害軽減ブレーキ

新車搭載台数の推移

衝突被害軽減ブレーキの新車搭載台数は

増加しています。

2012年に4.3%にしかすぎなかったのが

2014年から急激に増加し41.1%に。

さらに2016年には66.2%まて普及しています。

実に新車の2/3に搭載されるまでに至りました。

ここまでくると衝突被害軽減ブレーキの

自動車を購入するのが普通になっています。

標準装備といっても過言ではないでしょう

衝突被害軽減ブレーキ

衝突被害軽減ブレーキの不具合

不具合のデータは2017年のもの。

340件の不具合があり

・作動しない→88件

・勝手に作動→249件

・その他→3件

となっており、「作動しない」の中に

交通事故が82件発生しています。

不具合の全体のうち24%が交通事故に

なっているのです。

衝突被害軽減ブレーキ

作動しない条件とは

衝突被害軽減ブレーキはある条件下では

動作しない、もしくは止まることができません。

その条件の三要素が

・スピード

・周囲(環境)

・路面(状況)

です。

スピードが作動条件以上に出ているときは

センサーが障害物を検知できない時があります。

周囲の環境にも大きく左右されます。

苦手なのが「逆光」や「大雨(夕立)」などです。

センサーが十分に読み取ることができなく

なるのです。

海外では自動運転システムの事故原因が

夕日の逆光だったという分析結果が出ていたと

記憶しています。

あとは、路面の状況。

凍結等していると衝突被害軽減ブレーキが

作動しても制動距離が長くなり完全に

止まることができない。

これは通常運転でも要注意の条件なので

納得がいくと思います。

まだ完璧な技術ではない

このように、衝突被害軽減ブレーキは

条件により完璧なタイミングで作動して

くれないことを考慮しておく必要があります。

将来的には自動運転技術にも同じことが

最初発生すると思われます。

技術が完璧になるには精度をあげるしかない

のですが、最後の数%の精度はすぐに上がらないものです。

衝突被害軽減ブレーキも、この数%の

精度が上がるまでは補助的機能だと

割り切るしかないということです。

【出典】

http://www.mlit.go.jp/jidosha/carinf/rcl/carsafety_sub/carsafety031.html