以前、顧客データベースの運用コンサルティングを

していた時があります。

顧客リストがエクセルだけだった企業に

データベースを導入するだけでなく、実際に

営業スタッフが活用し、運用できるように

定着させるために支援をしていました。

このとき、思ったことが

「社内に新しい取り組みを導入する大変さ」

です。

この大変さ、社員の人数によって増減するか、

といえば、増減しない。

人数が少なくても大変さは同じ。

上場会社でも中小企業でも新しいことの

導入に対して抵抗力は同じなのです。

実際、顧客データベースを導入し、運用まで

できている企業は、ほとんどありません。

上場会社でも同じです。

いくらよくできた顧客データベースでも

運用率は低いのです。

では、どうすれば運用できるのか。

それは、導入の手順が重要なのです。

(システムをつくっている会社がこの

ノウハウを知っていればもっと世の中に

貢献できると思いますが)

コツは【叱らない】で【褒め続ける】ことです。

これを、逆に実行する会社が多すぎるわけです。

導入後、活用しない人に対していきなり厳しく叱責して

しまうのです。

まだ、顧客データベースのメリットを自分に

感じられない人、想像できない人にいきなり

叱責したところで逆効果。

確かに、完璧を求めて顧客データベースの

活用を説明することは【正しい】ことでは

ありますが、こればっかりはほとんど

受け入れられません。

人は【自分にとって利益がある】ことが

わかってからはじめて動きはじめます。

キーワードは

【自分への利益】と【簡単さ】

の2つ。

操作を最初に教えるときは

「これ、すっごい便利」

「とっても簡単」

「実現できたら、こんなに楽になる!」

「楽して業績が出るよ」

とテレビショッピングの解説者並みに

伝えていきます。

あとは、毎日の業務に組み込んでしまうだけ。

1)毎日5分の時間を組み込む

朝の時間から配分してしまう。

次に、

2)活用している人をフォーカスする

(活用していない人にフォーカスしない)

まわりの人が羨ましがる結果を誰かに

出させないと一気には広まりません。

そこまでは、ゆるやかに進めること。

業績が向上する人が出始めたら、あとは

勝手に広まります。

携帯電話の普及スピードやスマートフォンの

普及速度も同じですよね。

最初は1割の人しか使わない。

しかし、それがすごい便利だとわかれば

まわりも使い始め、一気に広がる。

(マーケティングの用語でティッピングポイント

と呼ばれます)

これを意図的に起こさせる。

それが、顧客データベース定着の手順なのです。