【fjconsultants365日Blog:3,731投稿目】〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜fjコンサルタンツ藤原毅芳

巨大市場には敏感になる

巨大市場の動きは景気に直結します。

特に日本では自動車産業の割合

もともと大きいので自動車の市場の

動向には敏感になってしまいます。

長らくガソリン燃料による内燃機関を

動力とする自動車が継続発展してきました。

 

国内では自動車メーカーが10を数え

国内だけでなく世界市場で供給を続けて

います。

 

その中でもトヨタ自動車は世界トップクラス

企業にまでなっており、生産台数は1,000万台超

世界第2位の地位にまでなっているのは

承知の事実です。

 

この自動車産業が直近ではこのままで推移して

いきますが、10年後には大きな変容を遂げようと

しています。

 

その内容を動力源、エネルギー減、モビリティの

大きさ(規格)の3点から考えてみたいと思います。

 

動力源が変わっていく

自動車の動力源の歴史を振り返ると

一番最初は「エンジン」ではありません

「えっ、そうなの?」

と思われるかもしれませんが、馬車から

自動車に変化した時に最初に出現したのは

電気自動車」です。

実は電気自動車からスターとしているのです。

その後、エンジン(内燃機関)が発明されて自動車で

移動できる距離が飛躍的に伸びたのです。

その後、ハイブリット車が日本ではシェアを

席巻し現在に至ります。

今後は電気自動車、水素自動車などが普及すると

予想されています。

振り返ると

①電気自動車

②エンジン自動車

③ハイブリット自動車

④電気自動車・水素自動車等

となり、最初に戻っているようにも見えます。

エネルギー源はどこに落ち着くのか

今後の自動車の変容は

エネルギー源

がどこに落ち着くのかによります。

 

というのも、電気自動車の普及の障害に

なっているのが走行距離とバッテリー寿命

なのです。

 

現在の電気自動車はようやく1回の走行距離が

400km〜500kmというところまで来ました。

最初に出た電気自動車は200km程度でしたが

実際に走らすと100kmを切ってしまうことも

あり、買うのをためらう人も多かったようです。

 

現在、中古車市場で初期型の電気自動車が売買

されていますが価格が新車時の1/10程度しかなく

ハイブリット車と比較しても価値が急激に下る

という事実だけ残ってしまっています。

 

これでは普及するとは予想できず、まだ先の

ことのように感じてしまうのは私だけでは

ないと思います。

 

充電時間の問題も残っています。

急速充電なら30分程度ですが、急速充電する場所は

限定的です。

これは急速充電場所が増えても、30分という時間が

短縮されない限り解決しそうにありません。

ガソリン給油の時間と遜色ない時間で充電できる

ことが理想だからです。

水素はどうなのか

水素自動車の普及を国のバックアップで

進められています。

 

2019年3月12日に経済産業省から

水素・燃料電池戦略ロードマップ

が公開されています。

https://www.meti.go.jp/press/2018/03/20190312001/20190312001.html

 

その中の資料の一枚が下記になります。

内容を抜粋すると

・水素自動車2025年:20万台

・水素ステーション2025年:320箇所

となっています。

 

わかると思いますが巨大市場の中では

消極的」なロードマップではないか、という

印象を持ってしまいます。

 

水素ステーションの設置初期費用がガソリンスタンドの

3倍以上(3億円超)かかるという事実。

 

水素自動車の価格が700万円程度という高額である

という事実が障壁を高いままにしていると思います。

 

モビリティの大きさは今後どうなる?

モビリティの大きさから見ると日本は

軽自動車という他国にない特殊規格が

存在する国です。

 

しかも軽自動車市場は大きい存在のまま

です。

年代を問わず軽自動車が普及しています。

では、今後のモビリティの大きさはどうなる

のでしょうか?

 

燃費のことを考えれば「小型化」することは

予測できます。

 

では、どこまで小型化するのか?ということです。

軽自動車より小さい規格のモビリティが

今後普及していくのでしょうか。

 

たとえば1人乗り、2人乗りのモビリティ。

これは実証実験段階にあります。

 

今後の普及は「価格」によって決まると

思います。

 

【価格:移動できる人数】

という判断軸で考えた場合、軽自動車は

4人で100万円〜120万円とすると1人当たりは

25万円〜30万円になります。

 

1人乗りモビリティ:30万円以内

2人乗り小型モビリティ:60万円以内

であれば普及するのではないかと思われます。

 

しかし、現実は小型モビリティの価格帯は

そこまで安価になっていません。

 

ブレークスルーするには、価格は避けて

通れないと感じます。

まとめ

このように動力源、エネルギー源、大きさ(規格)

面から考えてみると早急に大きな変容が訪れるには

それぞれの障壁を大きくクリアする技術革新

必要です。

 

なので時間がかかるように見えます。

しかし、技術革新は一気にやってくることがある

ので、予想には慎重になってしまいます。

 

そのため自動車メーカー各社は慎重に対応

しているように見えます。

 

次の主流がどこにいくのかを見定めている

のです。

 

どこかひとつに集中させると

・大きく当たる

・思いっきり外す

のどちらかです。

 

それを避けるようにしているのではないでしょうか。

逆にスタートアップ企業はもともとの売上がないので

どこかに全てを集中させることができるので

飛躍する企業があらわれてくることもあるのです。

 

今後のモビリティ市場は動力源、エネルギー源、

大きさ(規格)を軸にして推移を見ていきたい

ところです。