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社長はどこまで現場に関与すればいいのだろうか

社長はどこまで現場に関与すればいいのだろうか

【fjconsultants365日Blog:3,752投稿目】
〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜fjコンサルタンツ藤原毅芳

私はハンズオンの経営しかできない

ある経営者の言葉が
「私はハンズオンの経営しかできない」
とありました。

現場に関わる経営、現場を直接携わる経営と
言い換えできると思います。

社長の仕事は
「現場を離れていくこと」
と定義する人もいますが、そこに執着すると
経営の本質を見失うように感じています。

その理由を考えてみたいと思います。

ハンズオンとは

ハンズオン(Hands-on)という単語はもともと
「体験する」「手をふれる」という意味です。

これがそれぞれの業界で専門用語として使われて
います。

教育の世界では

  • 体験学習
  • 実習
  • 実験

という意味で使われています。

ビジネスの世界では投資会社が「投資先の経営に
どこまでハンズオンするのか」、という使われ方を
します。

投資先の「社外取締役」に入り込んで関係するのか、
単なる出資だけで終わるのかを考える時に使われる
言葉です。

経営者が「ハンズオン」という言葉を使うのは
現場へ深く入り込む、深く関与する、という意味で
使われています。

製造

ハンズオンの経営とは

経営では、現場への関与する%によって経営手法が
変わります。

関与度をパターン分けして考察してみます。

100%現場関与型

現場に100%関与する経営パターンがあります。
社長がスタッフの一挙一投足を確認していたり
顧客からの注文内容を毎日細かく見る経営です。

現場での判断もすべて社長が決済している経営
なので限られた組織規模であればスピードが
速いというメリットがあります。

しかし、社長1人で使える時間は1日24時間しか
ないので規模拡大の壁が出てきます。

たとえば、新規事業や子会社をつくって展開を
していく時に100%関与型経営の社長は最後
すべてが破綻していきます。

実際にそんな経営をされている方を見たことも
あります。

50%現場関与型

次は50%現場関与型経営。
社長が現場を見たり、質問したり、確認したり
することを半分程度行っているパターンです。

継続的安定の経営をされている企業では、この
50%関与のパターンが多い。

というのも、現場感覚を常に意識して経営の判断を
しているからです。

ここでいう現場感覚とは、「顧客動向」「顧客の声」を
確認しているということ。

ある企業では、顧客の注文キャンセル率、キャンセル内容を
社長が毎日のように確認しています。

ある社長は、広告に出す商品価格を社長自身が決定できる
ように他社の販売価格や販売実績を店頭に出向いて確認して
います。

時には、コールセンターの電話に出てみたり、配送などの
仕事をやってみたり。

大手企業でも、1年に1日は社長が現場で働くという会社も
出てきました。

日本でもコンビニの新社長がコンビニの店員さんを1日行い
どの程度の業務をこなしているのか体験したという記事を
読んだことがあります。

こうした現場も確認しながら経営の仕事も行う社長は
感覚のバランスが良く、決断正答率が高い傾向にあります。

0%現場関与型

現場にまったく顔を出さない0%現場関与型。
別の言い方をすれば「現場離脱型」の経営スタイル。

すべて現場をリーダー、スタッフに任せている経営で
こうしたスタイルを「憧れ」ている人も多いのでは
ないでしょうか。

この0%関与になれば、社長の時間は経営だけに注ぐ
ことができます。

将来のことに投資する時間が生まれ余裕も出てきます。
しかし、落とし穴もあるので注意が必要です。

というのも、現場からの情報精度によって経営の舵取りを
誤ってしまうからです。

実際にこんなことがありました。
社長が現場から離れて数年後に業界が不況に陥った会社に
発生した現象です。

その時、現場からの報告では「それほどわるくありません」と
あがってきていたので、対策に乗り出すことが遅れてしまった
のです。

また現場に社長が入り込んで指示をしたのだが現場感覚から
ズレていて意味がなかった・・・。

現場のスタッフも若干あきれながら取り組んでいた、という
のです。

これでは0%関与が単なる放任だったということになって
しまいます。

関与を下げていくことは理想ですが、情報精度が高くなるような
仕組みが必要だということです。

まとめ

こうして見ると会社の規模や成長時期によって社長の現場関与度を
切り替えることが求められています。

ビジネスの立ち上げや拡大期、または挽回時期には社長の現場関与
度を上げて、スピードよく経営していく。

軌道に乗りだしたら、現場から少しずつ離れていく。
最後には現場から完全に離れていく、というように。

ただ、現場感覚がつかめなくなったら、躊躇なく現場に入り込んで
確認することも大切な仕事です。