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〜1日3分、3ヶ月で1冊分の知識転移〜fjコンサルタンツ藤原毅芳

取り上げてなかったCASE

自動車業界は日本において大きな産業のひとつで関係している企業群も大きく、今後の行方は関心があるところです。

最近では大胆な予想も出てきており、トップクラスの企業が消滅するだろうという論調まで出てきました。
しかも名指しで出ていたのです。
そのような段階に入ったのだと実感。

根拠となるのは、自動車の稼働率。
自動車の稼働率(走っている時間)は5%前後しかないことが根拠となっています。
自動車シェア、自動運転などでこうした稼働率が上がっていけばその分だけ自動車が不要になるからです。

そんな流れをあらわす造語があります。
CASEと呼ばれています。
今回はそのCASEを取り上げていきたいと思います。

CASEとは

CASEとは次の単語の頭文字からつくった造語。

  • Connected:「C」→接続
  • Autonomous:「A」→自動
  • Shared&Service:「S」→シェア(共有)
  • Electric:「E」→電動

上記4つの事象から自動車業界が大きく変化するだろうと言われているのです。
ひとつずつ見ていきます。

Connected_コネクティッド

コネクティッドとは、接続するという意味で自動車がネットとつながることを意味しています。
すべての自動車が通信するようになるということ。
そうなれば、つながっている自動車全体がひとつとなり全体最適が可能になるのです。
自動車稼働のムダが明確になり、ムダを取り除くことができるようになります。

たとえば道路の渋滞。
渋滞の発生がすぐにわかり、回避する道路を提示できれば渋滞のない世界も実現できるのです。

Autonomous_オートノマス

オートノマスは自動車の自動化。
自動運転のことを指しています。

自動運転だけでなく他の部分の自動化も進みそうです。
接続と自動が合わされば、自動車はメンテナンスもフリーにもなっていきます。

メンテナンスが自動化されるということです。
そうなると自動車整備という分野も縮小していくことが予想されます。

Shared&Service_シェアードアンドサービス

最も大きく変わるのは、自動車の所有形態。
自動車は購入所有しか選択肢がありませんでした。
そこに個人リースも加わってきています。
ローンも残価設定型が増え、購入する選択肢は増えてきたのです。

これが今後は所有形態の選択肢が増えるということです。
所有しなくても自動車を使うことができるのです。

それがシェアリング(カーシェアリング)。
レンタカーのような毎回の手続きもないので一度利用した人は「便利だ」と感じています。
次の不況期には更にカーシェアの普及が進むのではないかと考えています。

Electric_エレクトリック

エレクトリックとは自動車の電気化。
エンジンではなくモーターによる自動車へと替わるだろうと考えられています。
ヨーロッパの自動車メーカーが一気に電気自動車を出すタイミングがそろそろ来ます。

ただ普及の妨げになっているのは電池問題。
こればかりは技術革新を待たなくてはなりません。
1回の充電で何キロ走ることができるのか。
これが500㎞ではなく700〜900㎞まで可能になった時に電気自動車の普及が加速すると個人的に考えています。

まとめ:メーカーからサービスへ移行していく

こうしたCASEという環境変化に対して自動車メーカーはどのように対応していくつもりでしょうか。
各社、自分たちのポジションを次のように表現しています。

  • モビリティ・プロバイダー
  • モビリティサービス・プラットホーム

ようするに脱メーカーというところにポジションをつくろうとしています。
サービスの枠に入ろうとしています。

それが成立するかはこれからにかかっています。
というのも、企業として大規模になりすぎているのでサービスへと移行する時に、規模縮小をする企業も出てくるのではないかと思っているのです。

そこが問われているのでしょう。
進化させる真価が問われているということだと思います。