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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

新規開拓をやろうとしない現実

営業スタッフを抱えている企業では、「新規開拓」を
やらなければならないのに、「やろうとしない」現実が
増えてきています。

というのも足元の業績が減少してきている企業も増加傾向にあり
経営者の中では「今から業績回復に手を打っておきたい」という
気持ちがあるからです。

その反面、現場の営業スタッフは、そこまでの認識になっておらず
「まだ大丈夫では」
「業績はまだそれほど下がっていない」
「大きく下がり始めたら手をつけよう」
といった感じのようです。

新規開拓は、本格的に手を打つ時期を見誤ると経営では厳しい
局面に立たされてしまいます。

新規開拓をやろうとしない局面をどのように変えていくのか
考えていきたいと思います。

畑

何度も繰り返している現実

ある営業リーダーが1ヶ月ほど前に
「新規開拓先を訪問するように」
と伝えました。

訪問先もリストアップされており、あとは訪問を
するだけです。

しかし、1ヶ月後に確認をすると新規開拓先への訪問は
ほとんどされていない・・・。

しかも、今回がはじめてではない。
何度も同じことを繰り返していたのです。

森林
photo by fujiwara takeyoshi

新規訪問しないのは理由があるからではなかった

今回のケースは新規開拓訪問できない理由が明確にあるわけ
ではありませんでした。
時間がなかった、とか、急な仕事が入ったなどということではなく
単に「訪問しなかった」という事実しかなかったのです。

「なぜ?」
という営業リーダーの問いに対して
「やろうとは思いませんでした」
「やるつもりがありませんでした」
「なぜ、今やるのかわかりません」
といった反応があったのです。

さすがにこの返答にリーダーも絶句。
何も言えなかったのです。

森
photo by fujiwara takeyoshi

新規開拓の必要性を感じないスタッフ

営業スタッフ側から見れば、「目先の売上」が大切で
将来の売上は優先順位の中で2番手以降に下がります。

新規開拓の必要性を感じていないのです。
そこに「現状ではダメです。新規開拓が必要です」と営業リーダーが
叫んでも、スタッフの頭の中を素通りするだけ。
響いていないのです。

数字から理解できることは?

そんなときは、数字で理解できることを確認すること。
たとえば現在売上減少は5%だったとします。
5%減、というのは判断が分かれるところなのです。
ある人は
・現状維持されている
と感じ、ある人は
・減少だ
と思うのです。

現状維持だと思う人に対して何を理解してもらえば
いいのでしょうか。

そんなときは、5%減少が続いた場合を想像させることです。
1ヶ月、2ヶ月連続で5%減少した場合ではなく、これが6ヶ月、
1年間、1年半、2年間と続いた場合を数字で出していくのです。

その数字を見て、「どう思う?」と確認するだけ。
決めつけて「これはひどい状況になるだろ」とリーダーが断定する
必要もありません。

数字は誰が見ても明確な判断しか下せないからです。

営業

まとめ

このように、「やろうとしない」スタッフに動いてもらう、
新規開拓をしてもらうことはリーダーとして求められる力量です。

これができなければ真のリーダーになることはありません。
そのため、こうした誰も動こうとしない、やろうとしない局面が
出てきたら、「試されている」と思うこと。
そして「乗り越えられる」と感じることです。

リーダーはそこから始まるのです。