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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

競合なのに集合したほうがいい場合

医療モールという言葉があります。
医療ビルと呼ばれる医療専用に建てられた1棟まるごと病院。
しかも、それぞれの医院や医療法人が競合なのに1ヶ所に
集まってビジネスをしている。

それぞれ、診療科目の違いを打ち出しているので厳密には競合しないの
ですが新しい形として定着しつつあります。

どうしてこのようなスタイルが広がってきたのでしょうか。
医師側のメリット、患者側のメリットから考えてみます。

医師側のメリット

医師のメリットは「独立開業」のリスクが減ることです。
医者の独立開業は、設備投資が多額になり多大なリスクを
抱えて独立されます。
その点、医療モールだと初期投資のリスクが大幅に減るのが
特徴のひとつです。

あと集患(集客)に困らないので最初から損益分岐点を超える
可能性が高い。
医療モール自体でお客様を抱えていることがあるからです。

通常ですと、単独開業では1年〜2年間は集患に手間取ることもあり、
それなりの難易度になっているのが現状です。

患者側のメリット

患者側のメリットは、1ヶ所で診療か全て終わることです。
特に軽微な症状のときは医療モールは便利です。

他にもインフルエンザ対策のワクチンを打ちに行くのにも便利。
同じ場所ですべてが解決するというのは、病院を探す手間が
省けて気が楽になるのです。

手軽に行くことができるのが医療モールの特徴です。

他の業界でも発生している○○モール

こうしたモール形式は医療だけに限ったことでは
ありません。
他の業界でも事例が出始めています。

最近では美容モールが出現。
https://www.thesalons.co/

それぞれのお店は
・ヘアカット
・ネイル
・トリートメント
と内容が分かれています。

しかも、ヘアカットも種類が分かれており
「メンズ」が得意な店や「大人っぽさ」を
得意としているお店など5店舗が入って
いるのです。

顧客側は休日の1日をかけて複数店舗を
1ヶ所でまわることができ、便利な場所の
ひとつになるのです。

ローリスク独立開業支援というビジネスモデル

この美容モールに入る人たちは個人独立組。
この美容モールに入るメリットがあるのです。

ローリスク独立開業支援というキャッチコピーで
入居者を募っており、独立志望の方にはメリットが多い。

美容室やサロンは現在店舗数が過多状態。
独立したがうまくいかない事例を全国で聞きます。

そうした中、このような美容モールであれば
・設備投資なし
・初期投資なし
・宣伝支援がある
・好立地に店を出せる
というメリットを享受できるわけです。

今後、全国展開を考えているようですが、
すぐに展開できそうなビジネスモデルです。

まとめ

このように同じ業界のお店(会社)を集める手法は
飲食では普通でした。

これが他の業界へと広がっています。
医療業界、美容業界と普及しているのです。

そこには、
・独立開業リスク
が大きい業界ほどモール型が普及すると考えています。
そう考えると、まだ未開拓な分野業界もあることに
気が付きます。

こうしたビジネスモデルはアイデア・発想を鍛えるには
適した題材なので日頃から気にしておくと頭の体操になると
思います。