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~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

社長になります

6年前に私が講師をしていた経営塾の受講生の方から
報告をいただいた。
受講生の構成は、事業承継をされた方、事業承継を予定している
人の方が多い会だったと記憶しています。

報告では「今年、社長に就任することになりました」と。
うれしい報告です。

ただ事業承継はスンナリ進まないのが普通。
今のところ何も起こっていませんが、気になる点があったので
確認しながらアドバイスしました。

今回は事業承継時に発生してしまう事象をもとに
スムーズな事業承継を考えてみたいと思います。

オフィス

権限移譲

実際に社長に就任しても会長が社内に毎日出社してスタッフに
指示を出す場合があります。

こんなとき、まわりのスタッフから見たら何も変わっていない。
呼ぶときに社長が会長になり、専務が社長になっただけ。
経営の実態は承継されていないのです。
名称が変更されただけ。

さらにわるい状態になると、社長の意見と会長の意見が対立し
会社の方針が2つに分かれてしまう。

新社長は新しい方針を出したがり、会長は過去の方針に固執する。
そのような図式であらわされる状況です。
これでは事業承継をした意味がありません。

会社の方針はひとつ。
方向性もひとつだけ。
これが原則です。

街

新社長の息がかかったリーダー

次に問題になるのが新社長の息がかかったリーダーが
いないこと。
新社長のNO.2の存在がいないと新しい方針は実行されません。
新社長が新しい経営計画を発表し、新しい方向性を示しても
ひとりだけ叫んでいる状態。

まわりは傍観者。
だれも反応してくれない。

そうしたときに、新社長は「イエスマン」をリーダーにしたがる。
それもベストな選択ではない。
新社長の言うことを否定もせず、イエスだけを言う存在は大切
ですが、実行はしてくれない。
何もしてくれない。
まわりえの影響力もない。

こうしたことが発生するときは、社内で「影響力のある人」を
新社長のNO.2にする。
新社長と性格が不一致であっても、相性がわるくても、影響力の
ある人がNO.2にいなければ組織は動かない。

注意するのは、お互い相性のわるさを解消するのではなく、
最初にすることは、会社の方向性をひとつにする。
会社の進む道のりをお互い確認し同意してもらう。
そのプロセスからです。

まとめ

事業承継は常に新しい障壁が出てくる。
それが普通。
スムーズに行かないと思っておいたほうがいい。
何事もなく進んでいるときほど緊張感を高める。
それくらいの姿勢がちょうどいいのではないでしょうか。

事業承継の失敗事例は表に出ることはほとんどありません。
失敗から学ぶことができにくい領域。
そのように感じています。
疑似体験できるようになればベストだと思います。