fjコンサルタンツ 経営情報Blog

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不況時における社長発言失敗事例

山脈

【fjconsultants365日Blog:4,202投稿目】
~経営には優先順位がある~経営コンサルタント藤原毅芳執筆

倒産確率を社内に伝えるのか

倒産確率30%、と社内に公開した星野リゾート。
社内の意識を変えるためにトップである社長が
あえて会社の倒産確率を社内に伝えました。

思い切ったことなので新聞でも取り上げられています。
ではこうした意識改革の方法、具体的には会社の
倒産確率などの危険性を社内に伝えるというのは
やったほうがいいのでしょうか。

こうした事例が新聞などに出ると、すぐに自分の会社に
取り入れる経営者の方もいらっしゃいます。

結果はやってみないとわからないので、会社の危険度を
伝えることによって社内の意識が変わり改善する
ケースもあるかと思います。

しかし、いきなり社長が
うちの会社の倒産確率は◯割だ。しっかりするように」
と言い出したらスタッフの方はどのように思う
でしょうか。
衝撃を受けると思います。

事例

実際にあった話しを書き記します。
実際に直接聞いた話です。

その当時、社長は資金繰りに苦労していました。
そのせいで疲れも溜まり、会社に行っても気持ちが
晴れない状態でした。

社内の雰囲気は気が緩んでいるように見え、社長と
しては危機感を持ってもらいたいと痛切に感じたそうです。

毎週行われる朝礼で社長がこう発言したのです。
会社の状況を見つめてほしい。危機感を持ってほしい。
現場は気持ちが緩んでいるのではないか。このままでは
皆さんの給料が払えなくなるかもしれない

と言ってしまったのです。

会社に緊張感持たせるために発言したこの言葉が
引き金になってしまいました。
コトバがひとり歩きしはじめたのです。

社内でも、『会社が倒産するのではないか』という噂が
広がり、外部の関係する会社にも伝わってしまったのです。

取引をしていた会社から、商品の仕入れ等に制限が
出たり、中には会社まで状況を見に来る方もいらっ
しゃったそうです。

実際には経営がそこまで行き詰まっているわけでも
なかったのですが、社長の発言が社内を動揺させて
ステークホルダーまで巻き込んでしまったのです。

その後、噂を払拭するのに半年以上かかりました。
社長の発言で一気に信用を失った事例のひとつです。

マイナス面を伝えるとき

こうして考えてみると、会社のマイナス状況について
社内に告知するときは細心の注意がかけるほうがいい。

倒産確率何割と伝えることができる会社は限られて
いるのではないでしょうか。

経営者とスタッフが信頼関係でつながっており、
1つの方向に向かって一致団結している場合はストレ
ートにマイナス状況を伝えても問題はないと思います。

しかしそれ以外はマイナス状況をストレートに表現
するのは控えたほうがベターだと思います。

まとめ

社内のスタッフに危機感を持ってもらうというのは、

①自主的に動くスタッフになってほしい
②会社の問題を自分のこととして捉えてほしい
③課題解決をするのは自分だという当事者意識を持ってほしい

の3つに集約されると思います。

そうであるならば、会社が倒産するんだという
マイナス表現をする必要はありません。

単に当事者意識を持って、自分事として課題解決に
自主的に取り組める人が育てば良いだけです。

シンプルな方法があります。
これは誰がやるんですか
と社長が社内に向かって発言するだけです。

課題が見つかったり問題が起こったときに、
【誰が解決しますか】
と確認するだけです。

ここに社長の意思が入っており、それを聞いた
スタッフは徐々にその意味を理解するようになります。

このプロセスがない場合、スタッフは『会社が課題を
解決してくれるだろう
』と他人事のように捉えたり
他人任せ』にしたり、『会社に依存』したりします。

ほんとにこの辺は紙一重の差です。
大きなことを言う必要もないと感じています。